診療室

いい話ですね

ここんところあまり本業があまり忙しくないのでカルテの整理をはじめました。カルテの保存期間は5年ですのでそれ以前のものは廃棄しようという魂胆です。紙媒体のカルテは破棄しますが、パソコンにはデータが残っていますし、過去の治療内容を確認するのも画面上で確認できますので不便はないんですよね。

コレでカルテ整理のアイテム購入が少し先延ばしになるかな〜と。

ところで「懇意にしていた事務用品の会社が破綻したという噂は本当か?」と思い調べてみました。噂通り破産手続きをしていたようです。従業員の方も治療に来てくださっていたのに、、残念です。

ふと過去のこの地方の破産状況を見てみますと患者さんの会社が破産していたり、、、やはり建設業界の破産が多いですね。そうですよね、何千円の受注が多数ある医療界と違います。数少ない数千万の受注という業界はあっという間に苦しくなりますよね。

破産間際に通院していた方に多い症状としては ”知覚過敏” ”口臭” が多かった気がします。相当のストレスでしょうから当然です。それと ”怒りっぽくなっていた” という感じもあります。

”怒りっぽい” のとはちょっと違いますが、、、同業者の自分より少し若い先生にこのお話しすると「いい話ですね」と言われます。

半年前ぐらいでしょうか、後期高齢者のご婦人が久しぶりに来院されました。
「お父さん(ご主人のこと)、この前死んじゃってさ、、、」
と自分の症状を話す前にご主人が亡くなったことを話し出します。

ご主人のことはよく覚えています。もちろん口には出しませんが、、
「良い思い出なんて無い患者さんでした。わけの分からない自己主張、何をするにも文句、治療方針にも治療結果にも不平不満を言っていましたね。いつも苦虫を噛み潰したような笑顔のない顔をしてましたね。オイラはご主人の姿を見るだけでブルーでしたよ。」

彼女の話は続きます。
「いやー、お父さんね、死ぬ間際に先生(オイラのことね)に会いたがってさー、あの人、先生にしか口の中見せなかったからねー」
「病院のベッドでね。先生がいたから今日の今日まで何とか食べることが出来てるって言ってたの。自分がすごくワガママだったの知っててさー、それを見捨てず、怒らず、ちゃんと見てくれて本当にありがとうって言ってさー。他の歯医者だとダメなんだって。だからすごく先生には感謝しててね、、」

意外でした。
あんなに文句を言いながらそんな風に思っていてくれたんだ、、、

だよな。陸の孤島や小さな島にたった一人の歯医者じゃないもん。
他にたくさんの歯医者があります。
嫌なら他の歯科医院に行けば良いだけだもんな。
難癖つけながらでも何回も何回も来るにはそれなりの理由ってあるんだよね。

もっと親切にしていれば良かったかな、、

ちょいと若い同業者に
「だからね、合わない患者さん、見るだけでもイヤな患者さんっていると思うんだ。でも来てくれてるってことは何かがあるんだよ。だからないがしろにせず大切に親切にね。」
ってお話をします。

この棚が増えちゃうのよ
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