診療室

薬だけ下さい

薬のハナシです

 

患者さん、またはその家族等から「薬だけ下さい」での処方についてです。
絶妙に合法の場合があります。

歯科医師法第二十条(医師法も第二十条)に
「歯科医師(医師)は、自ら診療しないで治療をし、もしくは診断書、処方箋を交付してはならない」

とあります。
診療をせずに「薬だけを処方」することは違法行為です。
ですが歯科医師法第二十一条(医師法だと第二十二条)にはこう書かれています。

歯科医師(医師)は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当たつている者に対して処方箋を交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当たつている者が処方箋の交付を必要としない旨を申し出た場合及び次の各号のいずれかに該当する場合においては、その限りでない。(下に1〜7まで)

すっげーわかりにくい文書です。特に「必要としない旨を申し出た場合」ってのは素人には謎。わかりにくいので三重県から質問があがっていました。

(質問)
医師法第二十二条および歯科医師法第二十二条の規定は原則として処方せんの交付を義務づけていますが同条ただし書の「この限りでない」の解釈は「交付してはならない」であるか「交付してもよく交付しなくともよい」と解すべきであるかいささか疑義がありますので折返し御指示を願います。

(答え)
医師法第二十二条等の解釈について
医師法第二十二条及び歯科医師法第二十一条ただし書中の「この限りでない」という規定の趣旨は、同条本文に規定する処方せん交付義務を解除するにとどまり、処方せんの交付を禁止するものではない。

また「投薬は本来直接本人を診察した上で適切な薬剤を投与すべきであるが、やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合においても、再診料は算定できる。」という絶妙なルール(疑義解釈)も出ています。

ということで、昨日の治療の結果ひどい痛みが続き、医院まで来ることもままならない。その場合において歯科医師(または医師)は家族の方に問診をし、必要なら投薬は認められるっていうことになります。ただ、、、全くの初診の場合や、過去の診療からあまりにも時間が経過している場合はNGですね。

COMMENT ON FACEBOOK

Return Top