診療室

意図的抜歯再植

J-004-2 歯の再植術 についてです。基本的に、この項目は外傷性脱臼(抜け落ちちゃったケース)の再植についての項目です。ですが、(4) にこう書かれています。

歯内治療が困難な根尖病巣を有する保存が可能な小臼歯又は大臼歯であって、解剖学的な理由から歯根端切除手術が困難な症例に対して、歯の再植による根尖病巣の治療を行った場合は、本区分により算定する。この場合において、当該手術と同時に行った根管治療に係る費用は、根管充填及び加圧根管充填処置に限り別に算定する。なお、歯の移動を目的に含む場合は算定できない。

ってことで、基本的に外科的根管治療は根切を選択して下さい。でも根切が困難な部位は再植術を算定して良いですよってことです。一般的には外傷性脱臼の再植と区別して「意図的抜歯再植」なんて言い方をしたりしてます。

昨年末よりかなり大きな嚢胞と症状を有する下顎大臼歯の治療を開始しした患者さんがいらっしゃいます。その歯だけをみると多くの歯科医師が「抜歯だね」って判断するんだと思います。ワスもそう思うんですが、その歯がなくなると若くして入れ歯になっちゃうんですよ。そこで「意図的抜歯再植」を説明し意向をお聞きするんですが、説明のために実際の例が無いかなぁと探してみたらありました。こんな感じです↓

経過は良好なようです。ただ、術式としては
1)麻酔して歯を抜く
2)抜いた部分の嚢胞等を一生懸命取り除く
3)口腔外で根の治療を終わらせる
4)根の先端の部分を少しカットしたり細工したりする
5)戻す
6)固定する
なんですが、歯を抜く時に折れちゃったりするとイッツオールオーバーです。その点は100回ぐらい説明し同意を得なきゃあだめですね。それと、、、年末に根切した歯の予後がよくありません。特に問題なく終了したハズだったんだけど、、、とちょっと落ち込むワスです。

COMMENT ON FACEBOOK

Return Top