診療室

銀合金

来月よりまた金属関係の点数がupします。
本当に大昔の話です。君たち(←誰やねん)が生まれる前の話です。
金パラは30グラムで10,000円以下でした。諭吉1枚ではなく聖徳太子1枚です。今はもう聖徳太子って呼ばないで厩戸王って言うんだよって言われそうですが。

それがですね、金パラは30グラムが平気で100,000円とかになっちゃいまして、、、、はっきり言うと「バカみたいな価格」です。
下の表は歯冠修復のところの抜粋なのですが、大臼歯1本そのものの値段は1762×10=17,620円です。大昔、648点だった時があったのを覚えています。「大臼歯って、648ムシバなんだ」って覚えてたんですよね。

3割負担の方なら17,620円の3割ですがから、銀歯そのものに支払う金額は5290円ほどです。それに最低でも再診料と装着料と装着材料料とクラウンブリッジ維持管理料がかかりますので3割負担の方は6,000円にはなっちゃうんです。

技工士さんへの代金がめっちゃ値上がりしたとか、ビンボー歯医者を助けるために価格が上がったのならまだしもです。
歯科医院はめっちゃ高い値段で金属を購入し、めっちゃ高い金額を患者さんから頂かなきゃならないんです。ただ金属を横流ししてるだけなんです。6,000円のうち4,000円ぐらいはただただ金属の値段です(涙
んで、2ヶ月ぐらい前から患者さんには「銀合金ってのもあるでよ」とgoogle スライドを使って説明をしています。
銀合金の最大の欠点は「黒く変色しちゃう」ってことで、次の欠点は「ちょっと柔いんじゃあないだろうか」ってことです。
柔さは、咬合負担等を考えるともしかすると良いことかもしれないけど、やっぱり変色は気になるところです。「どのぐらい黒くなるの?」と聞かれますが、成人に銀合金を使った経験がほぼゼロなので「経験的にわからない」と正直に答えています。乳歯の銀合金を思い出すに「ああ、やっぱりちょっと黒いよね」とは思います。
また「健康に害があるか?」とも聞かれますが、アレルギー以外では問題ないのではないかと思います。今はほとんど金属そのものを使いませんが、乳歯に銀合金を装着して何かが起きたということは無かったです。
※表の通り、乳歯の金属歯冠修復は銀合金しか使えません。

で、大臼歯1本で(1762-518)×3=3732ですのので、金パラと銀合金では3730円の価格差がでます。1本だけならまだしも数本まとめて装着する場合やブリッジの場合だとかなりの価格差です。
製作する工程や技工代金やその他の事項の価格は同じです。銀合金を選択していただいてもヨシダ歯科としてはまったく不利益になることも利益になることもありません。ですので遠慮せずに金パラか銀合金かを選んでください。選択権は患者さん側にあると思っています。

ここまで書いて、月々の限度額が決まっている方(8,000円とか18,000円とか)に何本かまとめて補綴をする場合は金パラ使っても不都合がないし、負担金そのものがない患者さんには金パラを使うんだろうなと思うと、しっかり働いてしっかり納税してている患者さんに申し訳ないなとヨシダ歯科を代表して、いや歯科医師を代表して謝りたいと思う次第です。すんません。

スッゲー価格だ

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